令和6年度 上期昇給審査会講評

令和6年5月6日(月:祝)に開催いたしました昇給審査会について、田中健一 審査委員長

(博多区剣道連盟理事長)より講評をいただきましたので、博多区剣道連盟所属の

各団体へ周知いたします。

ご一読いただきます様お願いいたします。

令和6年度博多区剣道連盟上期昇級審査会 講評

令和6年5月6日:那珂南小学校体育館)

        博多区剣道連盟理事長(審査委員長)  田中健一

令和6年5月6日(月:祝)に開催された、上期昇級審査会(福岡県1級審査会含む)について、審査員の評価を含め総体的な立場から審査委員長としての講評を申し上げます。

昇級審査は➀切り返し、②打ち込み、③互角稽古、➃木刀による剣道基本技に大別されます。次に審査員が特に着目する内容(評価される内容)は、➀着装・所作、②姿勢・構え、③打突時の発声(気勢)と打突時の動作・足捌き、➃残心等を中心に審査します。これらの内容は、日頃の稽古時に各団体(学校や道場)等において、指導されている内容でもあります。基本動作が6級から上級位に昇級するにしたがって上達していくことが肝要です。

一.発声(充実した気勢)について

発声については、審査員から各級位(特に1級)全般的に声が小さい・気勢を感じないとの指摘がなされる中、特に4級受審者については評価が高くさらに伸ばして頂きたい。また1級合格者は次に初段審査へと受審することになりますが、普段の稽古で充実した気勢も含め、なお一層の努力が必要だと感じます。

二.着装・所作と構えについて

➀着装は、特に面紐が長く(40cm以内)、結び目部分の不揃い等が散見されました。(2級・3級)

②木刀による所作と構えは、日本剣道形(初段以上)と全く同じであり、かつ剣道の基本でもあるため、基本的な所作と構えの体得と指導をお願いしたい。

特に、中段の構えから、一足一刀の間合いと横手交差の理解ができていない。また、構えを解いた時の剣先の位置が非常に高い(正しくは相手の膝から3~6センチ下で相手からやや外れ刃先は左斜め下)(3級・2級・1級)ため、正しい構えの体得と指導をお願いしたい。

三.打突時の動作と足捌き

➀切り返しでは、最初の素面は、左右の面を45度の角度でしっかりと打突しているが、一方の竹刀で受けた時は、面に届かず竹刀を打ち、かつ廻し打ち(横からの打ち)が多く見受けられたため、竹刀で受けた場合においても素面と同様、相手の面の左右の位置に正しく打突するように心がけ、合わせて指導者には指導頂きたい。

②足捌きについては、切り返し時に元立ちが歩み足になっていない。特に6級等に多くみ見受けられました。これは修行不足の面もあるが、初歩の基本動作となるためしっかりとした指導をお願いしたい。また、打ち込みや互角稽古では、左足が跳ね足になっており、左足の引き付けが遅れ体勢も崩れてしまい、結果残心が伴わない(気剣体の不一致)打突になっているため正しい足捌きの体得と指導をお願いしたい。(特に3級)

③木刀による剣道基本技では、正確に打突部位をとらえていない(打突部位に届いていない)。一足一刀の間合いを理解し、「基本1」から「基本9」までの技を正しく理解して稽古を行うことが大切です。木刀による剣道基本技1~9までの技は、実践の剣道(基本稽古や打ち込み、互角稽古・試合等)に繋がる重要な基本動作でもあるため、正しい木刀による剣道基本技の体得と指導の徹底をお願したい。                                  

以上

この記事を書いた人

博多区剣道連盟